Special feature 技術進歩とともに進化する 軟性内視鏡の感染管理
■Standard
感染対策からみる軟性内視鏡管理の基準
-―国内外のガイドラインとスポルディングの分類を考える(内視鏡の洗浄・消毒を中心として)
田村 君英
1
1医療法人社団卓秀会平塚胃腸病院 検査部 部長
pp.94-100
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000114
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はじめに
軟性消化器内視鏡は再使用することが前提であり,そのための洗浄・消毒はSpauldingの分類により高水準消毒薬を用いることになる。ベッドサイド洗浄,一次洗浄に続き,高水準消毒薬を用いて消毒することが各種の内視鏡洗浄・消毒ガイドラインで推奨されている。日本消化器内視鏡学会の認定する消化器内視鏡技師の所属する施設では,2017年の集計で82%が何らかの高水準消毒薬を使用しているが,この集計はすべての施設を網羅したものではない。一方,内視鏡によるがん検診の開始により,洗浄・消毒器を使用することと高水準消毒薬を用いることが推奨されていることから,今後は高水準消毒が普及することが期待されている。しかしながら,2015年のカルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE:Carbapenem-Resistant Enterobacteriaceae)のアウトブレイクを受けて,洗浄の重要性と,保管に関しても検討,研究されている状況である。
本稿ではSpauldingの分類とガイドラインの概要について述べる。
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