Special feature 技術進歩とともに進化する 軟性内視鏡の感染管理
■Introduction
軟性内視鏡医療の進歩と感染管理の在り方
赤松 泰次
1
1地方独立行政法人長野県立病院機構長野県立信州医療センター 内視鏡センター長
pp.83-87
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000112
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はじめに
内視鏡の長所は,X線造影に比べて,❶立体的な臓器を直接観察できる,❷凹凸のない平坦な病変であっても色調の違いで病変を発見できる,❸生検採取が容易である,などの診断能の高さに加え,鉗子チャンネルより内視鏡処置具を挿入して様々な治療を低侵襲に行うことができる点である。そのため現在では消化器以外の多くの分野で,細径化した軟性内視鏡(スコープ)を用いた内視鏡診療が一般化し,今や医療に欠くことのできない重要なツールとなっている。
一方,内部構造が複雑なスコープや内視鏡処置具を体内に直接挿入することによって,被検者の血液や粘液などが付着するため,適切な再生処理を怠ると被検者間の感染をきたす恐れがある。内視鏡処置具は近年ディスポーザブル化が進んでいるが,スコープは高額であるため再生処理をして繰り返し使用せざるを得ない。しかし,複数の被検者に対して限られた本数のスコープで内視鏡診療を行うため,再生処理には時間的な制約があり,十分かつ効率的な再生処理が求められる。
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