今月の表紙
軟性白斑
水澤 剛
1
,
中澤 満
2
1東京医科大学病院
2弘前大学
pp.317
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410212609
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症例は51歳,女性。右眼視野上方に黒いもやが見えるとのことで前医を受診した。右眼眼底に白斑を認め,網膜動脈分枝閉塞疑いで当院へ紹介され受診となった。視力は右1.2(1.5×−0.25D),左0.6(1.5×cyl−1.00D 90°)。右眼黄斑下鼻側に1乳頭径程度の軟性白斑が認められた。左眼は特記すべきことはなかった。受診当日,カラー眼底写真と光干渉断層計(OCT),OCT angiography(OCTA),フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)を行った。FAでは,軟性白斑に一致して初期像から後期像まで無灌流領域(NPA)を認めたものの,中心窩付近には認めなかった。OCTAでも同様の所見が確認され,自覚と一致した。画像はそのときのものである。
撮影はNIDEK社製のOCT,RS-3000 AdvanceにOCTAのソフトウェアを追加して行った。縦横6mmの撮影範囲を3mm×3mmで5か所撮影を行い,付属のパノラマ自動合成機能を用いた。このソフトウェアは,網膜全層画像のほか,4枚の層別パノラマOCTA画像を抽出することができる。写真は,網膜表層血管のみを抽出した画像で,軟性白斑の位置関係や閉塞範囲がわかるように,中心窩と視神経乳頭を画面に入れて撮影した。また,涙液層の乱れによる画像強度の低下が生じないよう,定期的に瞬目を促しながら撮影を行った。
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