Special feature 知る・学ぶ・実践する 水回りの感染制御
■Quality
医療用水の水質管理の在り方
-―国内外の指針・ガイドラインの動向を踏まえて
島﨑 大
1
1国立保健医療科学院 生活環境研究部 水管理研究領域 上席主任研究官
pp.293-300
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000158
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はじめに
医療施設に供給される水道水である医療用水は,様々な医療行為に用いられるだけでなく,入院患者の日常生活や施設の運用管理など幅広く用いられる。近年,我が国の医療施設にて,医療用水の供給系統である給水管,給湯管や,末端の蛇口,シャワーヘッドなどから,レジオネラや非結核性抗酸菌(NTM:Non-Tuberculous Mycobacterium),緑膿菌などの日和見感染の原因となる病原性を有する細菌(以下,レジオネラ等)が検出され,中には入院患者への院内感染を生じた事例が報告されている。本稿では,医療施設において医療用水の水質管理を行う上で留意すべき点や課題について,給水設備および給湯設備を中心に,国内外の指針やガイドラインなどから概観する。
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