Special feature 院内でも在宅でも カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)の予防対策
■Guideline
ガイドラインから導くカテーテル関連尿路感染症(CAUTI)予防
-―CDC・海外・国内ガイドラインの比較
市原 浩司
1
,
髙橋 聡
2
1社会医療法人鳩仁会札幌中央病院 泌尿器科 診療部長
2北海道公立大学法人札幌医科大学医学部 感染制御・臨床検査医学講座 教授
pp.99-104
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000032
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はじめに
尿路感染症は最も多く認められる病院感染であり,基礎疾患を有する複雑性尿路感染症がほとんどである。ここで言う「狭義」の基礎疾患とは,尿流を妨げるような尿路基礎疾患のことであり,膀胱尿道機能障害すなわち下部尿路機能障害を意味する。一方で「広義」には年齢や活動性,併存・合併疾患,免疫機能低下状態など感染症をきたしやすい患者背景因子を含む。複雑性尿路感染症にはカテーテル非留置の膀胱炎や腎盂腎炎もあるが,多くは尿道カテーテルなどの器具が関与した尿路感染である。全身状態の良い患者であれば無症状もしくはカテーテル抜去で改善することが多いが,前述のような背景因子を持つ場合には重症化し敗血症に至ることもある。カテーテル関連尿路感染症(Catheter Associated Urinary Tract Infection:CAUTI)は,尿路カテーテルの適正使用や管理により発症率低減が可能である。現在,国内外にはCAUTIに関するガイドライン(guideline:GL)が多数存在する。本稿ではCAUTI予防には何が必要か,各GLを確認しながら考えてみたい。
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