Special feature 院内でも在宅でも カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)の予防対策
■Daily カテーテル関連尿路感染症(CAUTI)予防のための日常戦略
❷CAUTI予防のための抗菌薬適正使用戦略
-―抗菌薬適正使用支援チーム(AST)活動の実践
酒井 義朗
1
1久留米大学病院 薬剤部/感染制御部 主任薬剤師
pp.139-145
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/ict.0000000039
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はじめに
尿路感染症は1980年代に院内感染の約40%を占め,最も一般的な感染症である1)とされていたが,最近の報告でも肺炎,手術部位感染症,消化器感染症に次いで多いとされる感染症である2)。その中で,カテーテル関連尿路感染症(Catheter-Associated Urinary Tract Infection:CAUTI)は尿道に留置するカテーテルによって成立する尿路感染症である。尿道カテーテル留置後,尿の定量培養で105CFU/mL以上の細菌が検出される場合にCAUTIと定義される3)。症状のある症候性CAUTIと症状のない無症候性CAUTIがあり,後者が圧倒的に多いとされている4)。
院内感染の中で,主な感染症である尿路感染症であるが,そのうち約80%がCAUTIとされている5)。今回はCAUTIに対する治療,抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)活動の実践について,また筆者が薬剤師であるため,薬剤師のCAUTIを含めた感染症治療への関わりやASTにおける薬剤師の役割について解説する。
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