特集 もたらす利益は想像以上!口腔ケアが導く感染対策
患者背景別口腔ケアの実践プログラム 実際の取り組みおよび得られる利益 高齢者・介護施設入居者
米山 武義
1
1米山歯科クリニック
キーワード:
義歯
,
食事
,
肺炎
,
発生率
,
発熱
,
高齢者歯科医療
,
社会福祉施設
,
要介護状態区分
,
口腔ケア
,
患者重症度
Keyword:
Dentures
,
Diet
,
Fever
,
Pneumonia
,
Incidence
,
Dental Care for Aged
,
Patient Acuity
pp.143-147
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017207839
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はじめに
過日,栄養に関する一般誌に『高齢者の肺炎は脳の病気?―肺炎の新しい対策』という記事が掲載された1)。そしてその中で,高齢者の肺炎は口腔内の菌で起こるため“抗生物質の投与より口腔ケアのほうが有効”という細目が掲載された。著者である呼吸器の専門医が肺炎予防の観点より口腔ケアの大切さを一般の読者に“抗生物質より有効”と表現したことに驚きをもった。しかし,このような近年の口腔のケアに対する認識の変化を追い風に「再現性のある効果的な口腔のケアとは何か」,この命題に我々は答えを出し続けていかなければならない。
口腔のケアには食物残渣や歯垢等の除去に重きを置いた“器質的口腔ケア”(口腔衛生管理)と,口腔機能の維持・回復を目的とした“機能的口腔ケア”(口腔機能管理)の2つの 側面を併せ持っている。最近は器質的口腔ケアだけでなく機能的口腔ケアの重要性がマスコミでもしばしば取り上げられ,舌や口唇,頬の運動の重要性が国民に知れ渡るようになった。高齢者の介護施設等においても口腔の健康管理に対する共通の理念と認識が急速に構築されつつある。そして口腔ケアに関する最新の情報や技術を持った多職種の協働は様々なメリットを施設内で生み出し,施設入所者に数々の恩恵をもたらす。
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