特集 歯周病が及ぼす全身疾患への影響
歯周病の要因および全身疾患との関連 歯周病と癌
永井 淳
1
1福岡歯科大学 地域連携センター
キーワード:
顎疾患
,
抗腫瘍剤
,
好中球減少症
,
口内炎
,
骨壊死
,
歯周疾患
,
術前管理
,
腫瘍
,
周術期管理
,
腫瘍微小環境
,
骨髄抑制
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Stomatitis
,
Jaw Diseases
,
Osteonecrosis
,
Neoplasms
,
Neutropenia
,
Periodontal Diseases
,
Preoperative Care
,
Tumor Microenvironment
,
Perioperative Care
pp.1185-1188
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022350915
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<Headline>1 「歯周病が原因となって起こる癌」や「癌が原因となって発症する歯周病」はないが、宿主機能が癌や癌治療による修飾を受けて低下すると、既往の歯周病病巣の歯周病菌は、有害事象にかかわる感染源となりうる。2 そこで、癌サポーティブケアとして、口腔内の感染源除去が医科歯科連携による周術期の歯周病管理によって行われている。3 また、ある種の歯周病菌は、歯周組織から離れた癌微小環境に定着することから癌の増殖転移の促進、免疫回避、治療耐性獲得などにかかわる可能性が知られるようになった。そこで、これらの伝播阻止は癌治療における医科歯科連携の新たな展開につながることが期待される。4 日常生活のなかで頻繁に起こる菌血症を介した歯周病菌伝播のリスク評価に有用な歯周炎症組織面積(PISA)がある。
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