特集 もたらす利益は想像以上!口腔ケアが導く感染対策
口腔ケアは医療現場にどのような利益をもたらすか
西 裕美
1
,
栗原 英見
1広島大学病院 口腔総合診療科
キーワード:
気管支肺胞洗浄液
,
腫瘍
,
心臓血管疾患
,
脳血管障害
,
肺炎
,
市中感染
,
周術期管理
,
細菌培養
,
口腔ケア
,
口腔内細菌
Keyword:
Cardiovascular Diseases
,
Cerebrovascular Disorders
,
Bronchoalveolar Lavage Fluid
,
Neoplasms
,
Pneumonia
,
Community-Acquired Infections
,
Perioperative Care
pp.107-112
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017207833
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はじめに
近年,医療技術の発達や社会環境の整備によって平均寿命が延び,生活の質(QOL)を重視した医療への転換が求められている。一方で,医療費適正化の流れから出来高払いに代わる包括医療費支払い制度(DPC)方式が導入され,日本の医療は転機を迎えている。2012年度診療報酬改定では,がん医療をはじめとした様々な疾患において,チーム医療をより一層の促進する方向で,「医療機能の分化と連携などを通じて,質が高く効率的な医療を実現する視点」で改定が行われた。これに伴い,有病者治療における口腔内合併症の抑制が,早期回復や在院日数の短縮,患者満足度の向上に繋がることから,口腔内環境の改善に対する関心が高まっている。近年では口腔内細菌と全身疾患との関連について多くの研究が報告されており,「口腔機能の低下」と「全身疾患治療中に発症する合併症」との深 い因果関係が示されている。
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