特集 感染対策のための院内整備ガイダンスPart2 環境整備編
場所別・施設別の環境整備の実際 日常清掃・備品配置・啓発活動 小児科病棟・小児施設
立花 亜紀子
1
1埼玉県立小児医療センター 看護部
キーワード:
嘔吐
,
遊戯と玩具
,
病室
,
感染予防管理
,
小児病院
,
病院小児科
,
感染媒介物
,
清掃
Keyword:
Hospitals, Pediatric
,
Patients' Rooms
,
Play and Playthings
,
Vomiting
,
Infection Control
,
Fomites
pp.50-53
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2017161437
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小児科病棟・小児施設における環境面の特徴
小児は食事や排泄,遊びなどの生活全般において他者との接触が濃厚な存在である。特に遊びは小児の成長発達に欠かせないが,多くの子どもたちが同室し触れ合うことは,感染のリスクが高くなる。また小児科病棟や外来にはプレイルームやプレイコーナーといった遊びを行うエリアがあるが,ここで遊具や玩具を共有することにより,気道分泌物などの感染性物質が受け渡される可能性も増加する。米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)のガイドラインでは,入院患者が使用した玩具から病原性細菌が検出されたり,風呂場の汚染した玩具が小児腫瘍病棟での多剤耐性緑膿菌の集団感染に関与している,と述べている1)。小児科領域で,遊具や玩具の取り扱いに注意を払うことは非常に重要である。
また小児の入院環境は,成人同様に私物が多く持ち込まれている。衣類,オムツ,歯ブラシや浴用石鹸・シャンプーなどの清潔ケア用品,玩具などがあり,入院期間が長期になるほど,玩具が増えていく。患者の私物が入院環境に多く置かれていると,治療行為やケア実施時の妨げになる。更に,整理されずに長期間置かれた物品の周囲には塵埃がたまりやすく,衛生面で問題となるため,整理整頓が必要となる。乳幼児期は,自分自身では衛生行動が取れないか十分には実施できない。入院中,生活エリアであるベッド周囲環境を自ら清潔に維持することができないため,医療従事者や医療関係者による環境整備も十分に行う必要がある。
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