Editorial―今月のことば
Au revoir
三井田 孝
1
1順天堂大学 医療科学部 臨床検査学科 特任教授
pp.209-209
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt53030209
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2年前,留学先で同僚だったカナダ人とその夫が日本を訪れることになった.2人に会うのは実に約30年ぶりだった.彼女はフランス系カナダ人で,臨床検査技師の資格をもっていた.夫の仕事の関係で北米各地を転々とし,大学や企業でテクニシャンとして働いていた.彼女はおしゃべりが大好きで,ランチをともにする時には,アメリカの習慣や英語の表現をいろいろと教えてくれた.私たちが働いていたカリフォルニア州では臨床検査技師に対し独自の資格試験があり,特に採血業務には州が認める資格が必要だった.そのため,実験で血液が必要な時には,同じフロアの隣の研究室にいた唯一資格をもっている黒人女性にお願いしていた.私たちのボスはイギリス人(白人),奥さんはアメリカ人(白人)の研究者だった.他にもアルゼンチン人,フランス人,イタリア人,フィリピン人,オーストリア人,ベトナム人,中国人など,人種の異なるメンバーが一緒に働いていた.私が帰国する際,今回再会したカナダ人の元同僚が,研究室のみんなを自宅に招いてお別れパーティーを開いてくれた.私の妻は妊娠8カ月だったので,そのパーティーはベビーシャワーも兼ねていた.この時のことを思い出すと,彼女が大きなケーキを焼いてくれた記憶がよみがえる.
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