総説
オーストラリア抗原<Au抗原>
石田 名香雄
1
,
白地 良一
1
1東北大・細菌
pp.545-551
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907216
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Au抗原の定義
血清肝炎の患者血清に証明される抗原で,その本態は‘血清肝炎ウイルスの核酸を含まないカプシド,あるいはエンベロープであろう’と現在のところ推定されている.
われわれが銘記すべきことは,Au抗原陽性の血液をたとえ1単位(200ml)でも輸血すると,受血者の70%に肝炎(無黄疸であってもGOT,GPTなどの上昇する肝炎を含む)が発生することである。したがって輸血に先だってAu抗原の有無をスクリーニングすることは,今後われわれの果たすべき重要な責務である.またAu抗原を検出するため,いかなる抗原抗体反応が最も鋭敏か,またどんな種類の抗体(Anti-Au)を選べば広範囲にAu抗原を検出できるか,基礎知識をかためておく必要がある.
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