基礎講座
臨床検査技師が知っておきたい更年期障害の知識
寺内 公一
1
1東京科学大学 大学院医歯学総合研究科 茨城県地域産科婦人科学講座
pp.81-86
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.32118/mt53010081
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◎閉経前の5年間と閉経後の5年間をあわせた10年間を「更年期」という.
◎更年期に現れる多種多様な症状のなかで器質的変化に起因しない症状を「更年期症状」とよび,これらの症状のなかで日常生活に支障をきたす病態を「更年期障害」と定義する.
◎現時点で「更年期障害の診断基準」は存在せず,症状質問票も確定診断のためのツールではない.
◎エストラジオール(E2)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の血清濃度測定も,確定診断を補助するものではない.
◎受容と共感を表出しながら患者に傾聴し,生活習慣の改善指導を試みるとともに,可能であれば薬物療法の前に認知行動療法などの心理療法を試みる.
◎薬物療法としては ① 閉経期ホルモン療法(MHT),② 漢方薬,③ 向精神薬,などが用いられる.
◎患者がみずからを取り巻く身体的・心理的・社会的状況を受容できるようになり,QOLが向上すれば,治療を終了することも可能である.
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