増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
III 更年期・老年期
更年期障害
寺内 公一
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科女性健康医学講座
pp.107-109
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103685
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疾患の概要
閉経の前後合わせて10年間を「更年期」といい,この期間に器質的変化に起因しない多彩な症状が現れ日常生活に支障をきたす病態を「更年期障害」と呼ぶ.更年期症状は,ほてり・発汗などの血管運動神経症状,めまい・動悸・胸部絞扼感・頭痛・肩こり・腰背部痛・関節痛・冷え・しびれなどの身体症状,不眠・不安・うつなどの精神症状から構成される.エストロゲン低下をはじめとする身体的因子に加えて,性格を基盤とする心理的因子,家庭や職場における対人関係などの社会的因子が総合的に関与して発症に至る.
明確な診断基準はないが,各種の症状質問票を診療の基礎とすることが多い.閉経の前後合わせて約4年間はE2やFSHの変動が大きいので,これらホルモンの血中濃度測定は必ずしも診断に有用ではない.
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