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子どものロコモティブシンドローム(ロコモ)の経緯
運動器の障害によって移動機能が低下した状態が"ロコモティブシンドローム"(以下,ロコモ)であるが,子どもにおいては移動機能を評価する方法が確立されていないため,「子どもロコモ」の判定基準がないのが現状である.2007年にロコモが提唱されると,宮崎県ではロコモ検診を開始し,宮崎市では特定健診の一項目として実施した.児童・生徒の体力テストや2007年から開始した運動器検診の結果から,現代の子どもの運動器の特徴として,以前と比べ体力が低下していること,運動器の機能不全を認める子どもが多いことや約10%が運動器疾患に被患していることを報告した.当時は「子どもロコモ」の定義が確立していなかったため,これらの集団を「ロコモ予備軍」と提唱し,これを放置することでロコモにつながると考え,子どもの頃からのロコモ予防の大切さを啓発してきた 1-3).「ロコモ予備軍」とは,体力テストで全国平均や過去の県平均を下回っており,運動器検診での歩容状態,脊柱変形,肩関節挙上,上肢変形,肘関節屈伸動作,下肢変形としゃがみ込み動作において明らかに異常を認めるか,動作時に明らかな疼痛を訴える児童・生徒と提言した.テレビ番組では2010年に「きょうの健康」の「早目が肝心! 子どもからのロコモ対策」で運動器検診が取り上げられたが,全国に広まることはなかった.2014年に「クローズアップ現代」,2015年に「所さん! 大変ですよ」で取り上げられ,「しゃがみ込みができない」等,現代の子どもの運動器の機能低下が注目されるようになった.2016年には運動器検診(学校保健安全法)が法制化され,全国ストップ・ザ・ロコモ協議会から子どもロコモにおける5つのロコモチェックが提唱された(表1) 4).

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