知っておきたい! がんサポーティブケア
8.がんサバイバーシップケア
髙橋 都
1
1NPO法人日本がんサバイバーシップネットワーク,岩手医科大学医学部,東京慈恵会医科大学医学部
キーワード:
サバイバーシップケア
,
長期フォローアップ
,
両立支援
,
長期/晩期合併症
,
身体活動
Keyword:
サバイバーシップケア
,
長期フォローアップ
,
両立支援
,
長期/晩期合併症
,
身体活動
pp.953-957
発行日 2025年8月15日
Published Date 2025/8/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034090953
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はじめに─がんサバイバーシップケアとは何か
日本では毎年約100万人が新たにがんと診断され,生涯累積がん罹患率は男性62%,女性49%にのぼり,がんはわれわれにとって極めて身近な病気である 1).また,がん全体の5年相対生存率は男性62%, 女性67%に達しており, がんは長く付き合う慢性病でもある 1).このように, 身近で長く付き合う病気とはいえ,令和5年の内閣府調査によると,国民の大半はいまだにがんは「怖い病気」というイメージを抱いている 2).そのような社会的イメージのために,がんに罹患した人は長期的にさまざまな社会的不利に晒されるリスクがある.
がんサバイバーシップとは,がんの影響を受ける本人や家族等が,がんという人生を揺るがす可能性のある病いを抱えながらその後を生きていくプロセス全体のことである.がんサバイバーシップケアとは,がんと診断された後を生きるプロセスを支援するあらゆるケアのことを指す.

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