特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第12章:総合診療
がんサバイバーシップケアの地域での実装は可能か
土屋 雅子
1
1国立がん研究センターがん対策情報センターがんサバイバーシップ支援部
キーワード:
がんサバイバーシップケア
,
ケアデリバリー
,
shared-care
Keyword:
がんサバイバーシップケア
,
ケアデリバリー
,
shared-care
pp.767-769
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_767
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
がんと診断される日本人は年々増加しており,現在2人に1人が生涯のうちにがんに罹患するとされる1).医療の進歩により,2009~2011年に診断された患者の5年相対生存率は64.1%2,3),2021年4月に発表された「がん診療連携拠点病院等院内がん登録2008年10年生存率集計報告書」4)によると,10年相対生存率は59.4%である.年代別にみると,40歳代までは73.5~78.9%,50歳代・60歳代では64.9%・60.2%となっている.以上から,多くのがん患者が,がん治療後も地域社会で生活を送ることが窺える.第3期がん対策基本推進計画5)のなかに「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が明記され,がんサバイバーシップの重要性が政策的に示されてきた.しかし,サバイバーシップケアについて「誰がどこで何をするのか」といった具体的な議論は,まだ十分とはいえない.
© Nankodo Co., Ltd., 2021