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内容のポイント Q&A
Q1 メタバースと健康との関連とは?
メタバースと聞くと,恐らく多くの人はヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)を装着し椅子や床に座る,またはパソコンの前でディスプレイを見て行うものだと想像するだろう.理学療法士の視点でみれば姿勢が悪く,体を動かさないことから,どちらかというと健康にはデメリットが多い.しかし,HMDには従来のパソコンの前に座って行う作業とは異なり,6DoF(前後左右・回転)の表現ができるセンサーがあるため,パソコンの前に座るよりも立って動く機会につなげることができるのが特徴である.
Q2 メタバースで医療相談を行うメリットとは?
メタバースで医療相談を行うメリットは「自宅にいながら専門知識をもった医療従事者と気軽に相談できること」だと考える.メタバース内の医療相談はちょっとした体の不調を気軽に相談できる窓口であり,自身のプライバシーがある程度守られた状態で相談できるため,精神的負担を軽くできる.
Q3 メタバースでどのような医療相談が可能か?
メタバースでの医療相談は,患者の主訴を中心に医療従事者が症状の絞り込みを行う面談方式が主流となる.もちろんメタバース上では触診や聴診のような物理的診断ができないため,正確な診断ができないデメリットがある.しかし,質問だけで症状がある程度絞り込めれば,実際に医師に診てもらう必要がありそうだという予測や判断ができるため,受診をするかどうか迷っている人に対して効果があると考える.
Q4 メタバースでの医療相談の課題は?
メタバースでの医療相談の課題は,収益モデルが安定しないことであると考える.収益モデルを作ろうとしても雇用・インフラ等の整備費用が高くなることが安易に予想される.患者側はそれだけの費用を払える人が少ないため,本来医療を届ける必要がある人に届かなくなってしまう問題点がある.VR医療相談集会のように無料で実施するには,無償で集まってくれる人材が必要であるため安定した人員が確保できない.

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