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特集 メタバースの医療への展開
メンタルヘルスにおけるメタバースの可能性と留意点
The Metaverse in mental health
――Its potentials and considerations
松村 雅代
1
Masayo MATSUMURA
1
1株式会社BiPSEE,高知大学医学部「医療×VR」学講座
キーワード:
メタバース
,
メンタルヘルス
,
集団精神療法
,
心理劇
,
予測的符号化(predictive coding)
Keyword:
メタバース
,
メンタルヘルス
,
集団精神療法
,
心理劇
,
予測的符号化(predictive coding)
pp.1133-1137
発行日 2023年6月24日
Published Date 2023/6/24
DOI https://doi.org/10.32118/ayu285131133
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精神疾患やメンタル不調へのアプローチは薬物療法を柱とし,精神療法(対面で言語によるコミュニケーションが主体)を適宜併用する形で行われてきた.近年,VR(virtual reality)(図1)による暴露療法の有効性が示されるなど,新たな選択肢が広がってきている.なかでもメタバースは,社会的な側面や個別の文脈を反映する機能を持つことが特徴であり,人間の脳が持つ “予測的符号化(predictive coding)” との親和性が高いことが指摘されている.この特徴を最大限活かす方法として,筆者は集団精神療法での活用に注目し,実践を進めている.一方,メタバース・ハラスメントなどメタバース空間における問題も生じており,医療への応用にあたっては十分な対策が必須である.今後,生成AIとメタバースの連携など,さらなる発展は必至であり,多くの臨床家が “自分事” としてメタバースと向きあうことが,メンタルヘルス領域におけるメタバースの活用にとって重要となる.
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