リハビリテーション科医に必要な消化器疾患の知識と近年の進歩
5. 胆道癌治療における近年の進歩
志村 充広
1
,
青木 修一
1
,
海野 倫明
1
1東北大学大学院 消化器外科学分野
キーワード:
胆道癌
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
集学的治療
,
サルコペニア
,
栄養リハビリテーション療法
Keyword:
胆道癌
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
集学的治療
,
サルコペニア
,
栄養リハビリテーション療法
pp.1225-1227
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033121225
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はじめに
昨今で最もインパクトのあった胆道癌治療における革新は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の出現である.胆道癌の5年生存率はいまだ20%ほどであり,最も予後不良の悪性腫瘍のひとつである 1).これまで有効な薬物治療がほとんどなく,外科的完全切除(R0切除)が長期生存への唯一の手段であった.しかし,切除不能胆道癌に対するゲムシタビン,シスプラチン,S-1併用療法の有効性が報告され 2),さらに,ICIである抗PD-L1抗体デュルバルマブの上乗せ効果が示され,ゲムシタビン,シスプラチン,デュルバルマブ併用療法が胆道癌に対する1次治療として使用可能になった 3).胆道癌で長期生存を達成するには依然としてR0切除を達成することが必須であるが,どのタイミングで,どのような患者に侵襲度の高い手術治療を介入するべきかが重要であり,手術に到達するまでの栄養管理や胆道疾患特有の病態・症状に対する慎重な管理も同様に重要である.胆道癌における予後を改善するには革新的な新規治療薬の開発とともに,新規バイオマーカー探索や治療の有効性を向上させるようなサポーティブな介入の躍進が渇望されている.本稿では,胆道癌における新規分子標的薬や集学的治療の進歩,サルコペニアの意義,栄養リハビリテーション療法に期待されることを簡潔に解説したい.
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