特集 神経難病患者の在宅生活におけるリハビリテーション医療の役割
Column PD Cafeを立ち上げて,みえてきたこと
小川 順也
1
1株式会社Smile Space PDitスタジオ銀座本店
pp.451-453
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr033050451
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PD Cafeを立ち上げたきっかけ 筆者は,理学療法士として国立精神・神経医療研究センター病院にて2015年まで勤めていた.当時,パーキンソン病(以下,PD)患者への集中的なリハビリテーション(以下リハ)のプログラムがあった.退院時の身体機能は入院時と比較し改善傾向であった.また,退院後は月1回の外来フォローを数回実施したのちにリハは終了になる. 筆者が担当していた患者が,あるとき,予約もなしにリハ室へ訪ねてきた. 「退院して1人じゃ運動が続かない.病院でなんとかならないか?」 しかし,その当時の外来にてPDの方を継続的に外来フォローする体制はなかった. Tiborらは集中的な運動介入後に週3日の運動継続をした群はしなかった群に比べて6年後の服薬量の抑制と身体機能維持がみられたと報告している 1).この通り,集中的な運動介入だけでなく,その後の継続的な運動習慣がとても大事なのである. 居ても立ってもいられず,当時筆者が担当していた入院中のPDの方を4名集めて作戦会議を実施した.「なぜ,退院してしまうと運動が続けられないのか?」と問いかけたところ, 「軽度だと医療保険・介護保険でリハを受けられる場所がない」「1人では運動が続かない」「自主トレを教えてもらってもワンパターンで飽きてしまう」「今の体の状態に教えてもらった運動が合っているか不安」等の声が聞かれた. どうしたらこの問題を解決できるかと聞いたところ「気軽に集まって,つながり,運動ができる場所があったら嬉しい」と答えられ,これがきっかけとなり2013年4月より月1回2時間の運動と交流をメインとした運動教室「PD Cafe」を始めた.
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