Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
内容のポイント Q&A
Q1 発語失行の病態,責任病巣は?
発語失行(apraxia of speech;AOS)とは,発語(speech)障害の一形態である.具体的には,一定しない構音の歪み,音の連結障害(途切れや引き伸ばし),アクセントや抑揚(プロソディー)異常等が認められる 1, 2).責任病巣は,左中心前回and/orその皮質下,あるいは,線条体等の損傷で,神経局在徴候と位置づけられている 2).
Q2 発語失行の評価法は?
構音の歪み,音の連結障害,アクセント・プロソディー(抑揚)の異常の3要素を聴覚的に判断する.発声発語器官の運動障害の有無,下部顔面筋,舌,軟口蓋挙上等の動き・左右差の有無も検討し,それらがないことを確認する.加えて,「パ」「タ」「カ」等の音に関して,単音連続発話と,「パタカ」の連続発話を比較し,前者に比較して,後者で大きな異常があることを確認する.
Q3 発語失行に対するリハビリテーションは?
構音・運動学的アプローチ(Articulatory-Kinematic Approach)と速度・リズムアプローチ(Rate and/or Rhythm Approach)がある.特に,後者では,Melodic Intonation Therapy等が注目されている.ただし,AOSのリハビリテーションで大規模無作為化比較試験はなく,どの方法が最も有効であるのか等は,検証されていない.
Q4 最近の話題は?
変性疾患によって失語が出現することが知られ,その中で,AOSを中核とする一群があり,原発性進行性発語失行(PPAOS)と称されている.これらに対しても,言語リハビリテーションが有効であるという報告が増えている.
また,経頭蓋直流電気刺激法(transcranial direct current stimulation;tDCS)や反復経頭蓋磁気刺激療法(repetitive transcranial magnetic stimulation;rTMS)を用いた治療法の試みもなされ,有効であったという報告がある.
Copyright© 2024 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.