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内容のポイント Q&A
Q1 リハビリテーション医療における鍼灸治療のよい適応疾患とそのエビデンスは?
臨床研究では慢性腰痛や膝痛,肩痛等の筋骨格系疾患を中心に,顔面神経麻痺,過活動膀胱,うつ,過敏性腸症候群等,多くの疾患で有効性が報告されている.なお,近年では,慢性疼痛・頭痛・線維筋痛症,さらに顔面神経麻痺や脳卒中・がん等の診療ガイドラインでは,鍼灸治療を「弱く推奨する」としている.
Q2 代表的な疾患・症状に対する治療やその有用性は?
リハビリテーション医療の現場で,鍼灸治療は主に疼痛や筋緊張の緩和等の補助として用いることが可能である.また,慢性疾患をもつ患者では不定愁訴を訴える患者も少なくないことから,不眠や便通異常等の自律神経症状,うつ等の気分改善等を促すことで,リハビリテーションに対する意欲を向上させることも可能である.
Q3 鍼灸治療におけるリハビリテーション医療現場で起こりやすい副作用や問題点とは?
リハビリテーションと鍼灸治療を併用することで刺激量が過剰となり,治療後に疲れや倦怠感を生じたり,ひどい場合には一時的に症状が悪化したりする可能性がある.また,運動前に鍼灸治療を過剰に行うと,力が入りにくくなり一時的に筋力低下が生じる可能性も否定できない.そのため,リハビリテーションとの併用に際しては,詳細な治療計画が重要となる.
Q4 リハビリテーション医療におけるチーム医療としての鍼灸治療のかかわり方とは?
リハビリテーション医療において,鍼灸治療は直接的には疼痛緩和や筋緊張緩和の補助手段として有効である.しかしながら,それ以外にも慢性疾患をもつ患者や高齢者では不定愁訴も多く,それらがリハビリテーションに対するモチベーションを低下させていることも少なくない.そのため,日常的に鍼灸治療を行うことで不定愁訴を取り除いておくことは,リハビリテーションの継続や意欲向上の点においても重要である.
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