連載 谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理⑫
体液量の異常を見極める
-脱水・溢水・浮腫・血管内脱水をフィジカルアセスメントでアプローチ
谷口 英喜
1
Hideki Taniguchi
1
1済生会横浜市東部病院 患者支援センター/栄養部
pp.990-997
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.32118/cn146070990
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いよいよ,本連載も最終回を迎えました.「谷口先生と基礎から学び直す 体液・代謝管理」と題して,ここまで11回にわたり解説させていただきました.最終回では,臨床現場でよく遭遇する,体液量の異常に関して,いままで学んだ知識を総動員しながら学習を進めていきましょう.目の前にいる患者さんの体液量を推測して,栄養管理にすぐに活かせるように,フィジカルアセスメントのスキルも併せて解説していきます.
ポイント
1.脱水・溢水の診断は,フィジカルアセスメントで可能.
2.浮腫は,成因によって4種類に分類.
3.血管内脱水をみたら炎症を疑う,炎症をみたら血管内脱水の存在を疑う.
解説を進めるにあたり,言葉の整理をしておきましょう.「脱水症」と「脱水」,「溢水症」と「溢水」をきちんと使い分けましょう.皆さんがよく耳にする「便秘症」と「便秘」も,使い分けが必要なのです.「○○症」は疾患名(病名)で,「症」がつかないと,病態・病状であると理解してください.

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