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第5土曜特集 臓器連関が解き明かす疾患の深層
臓器連関と代謝疾患
中枢神経系による全身の脂質代謝制御とエネルギー基質選択
Regulation of systemic fat metabolism and energy substrate selection by the central nervous system
近藤 邦生
1
Kunio KONDOH
1
1鳥取大学医学部統合生理学分野
キーワード:
視床下部
,
脂質代謝
,
Nos1ニューロン
,
交感神経系
Keyword:
視床下部
,
脂質代謝
,
Nos1ニューロン
,
交感神経系
pp.647-652
発行日 2026年8月29日
Published Date 2026/8/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298090647
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エネルギー恒常性の維持には,摂取量と消費量の均衡だけでなく,糖質と脂質のいずれを優先的に利用するかという基質選択の調節も重要である.こうした制御には脳,なかでも視床下部が中心的役割を果たし,自律神経系および内分泌系を介して末梢組織の糖・脂質代謝を調節する.最近,視床下部室傍核のNos1ニューロンが,さまざまな末梢組織へつながる神経回路を形成し,交感神経系を介して脂肪分解や脂肪酸酸化を促進することが明らかになった.さらに,その活動は明期に高まり,エネルギー基質選択の概日リズムの形成に寄与するほか,寒冷曝露,ストレス応答,絶食時の代謝応答にも関与していた.これらの知見は,環境に応じて脳が脂質利用を能動的に制御し,エネルギー基質を適切に選択していることを示唆するものである.中枢神経系による脂質代謝制御機構の理解は,エネルギー恒常性の生理学的理解を深めるとともに,肥満や代謝疾患に対する新たな治療標的の探索にもつながると期待される.

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