Japanese
English
第5土曜特集 臓器連関が解き明かす疾患の深層
臓器連関と生理機能調節
体温と代謝を調節する中枢神経メカニズムとその加齢変容
Central neural mechanisms regulating body temperature and metabolism and their age-related alterations
中村 和弘
1
Kazuhiro NAKAMURA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科統合生理学
キーワード:
体温調節
,
代謝
,
褐色脂肪組織
,
視床下部
,
一次繊毛
Keyword:
体温調節
,
代謝
,
褐色脂肪組織
,
視床下部
,
一次繊毛
pp.606-610
発行日 2026年8月29日
Published Date 2026/8/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298090606
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- 参考文献 Reference
体温の調節は生体恒常性の根幹をなし,恒温動物では深部体温が厳密に制御されている.主要な体温調節反応のひとつである褐色脂肪組織の代謝熱産生は,寒冷適応のみならず,余剰エネルギー消費を介した抗肥満作用にも寄与する.これまで,体温調節と,栄養状態に応じた代謝調節の中枢神経機構はそれぞれ独立して理解が進んできたが,最近,視索前野-視床下部背内側部(DMH)-吻側延髄縫線核(rMR)からなる共通の中枢神経回路を介して統合的に制御されることが明らかとなってきた.本稿では,体温調節の中枢神経回路と,レプチン-メラノコルチンシグナルによる代謝調節機構との連関について概説する.さらに,加齢や過食に伴い,視床下部ニューロンのメラノコルチン4型受容体(MC4R)が局在する一次繊毛が退縮し,褐色脂肪熱産生の低下と食欲亢進を介して加齢性肥満(中年太り)とレプチン抵抗性が生じることが明らかになった.これらの知見が肥満症の新たな予防・治療戦略につながることが期待される.

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