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特集 腫瘍免疫とミトコンドリア
T細胞のミトコンドリア機能と腫瘍免疫
The role of T cell mitochondrial function in tumor immunity
波多江 龍亮
1
,
茶本 健司
2
Ryusuke HATAE
1
,
Kenji CHAMOTO
2
1九州大学大学院医学研究院脳神経外科学
2京都大学医学研究科がん免疫PDT研究講座
キーワード:
エネルギー代謝
,
ミトコンドリア
,
がん免疫治療
Keyword:
エネルギー代謝
,
ミトコンドリア
,
がん免疫治療
pp.987-991
発行日 2026年3月14日
Published Date 2026/3/14
DOI https://doi.org/10.32118/ayu296110987
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免疫チェックポイント阻害薬やキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法の登場により,がん免疫療法は大きく進展したが,依然として奏効例は一部に限られ,治療抵抗性の克服が重要な課題である.近年,T細胞のエネルギー代謝,特にミトコンドリア機能が免疫応答の持続性と治療効果を規定する要因として注目されている.T細胞は活性化段階や機能状態に応じて代謝経路を柔軟に切り替えるが,腫瘍微小環境では低酸素や栄養枯渇などの代謝ストレスによりミトコンドリア機能が低下し,T細胞は疲弊状態へと陥る.このような代謝不全は,抗腫瘍免疫応答の持続性を制限する主要因のひとつと考えられている.今後,有効な併用療法を含む治療戦略を構築するうえでは,腫瘍反応性T細胞の機能維持と長期生存を可能にする代謝制御機構の理解が不可欠である.本稿では,T細胞の機能維持および分化過程における代謝プログラムとその制御機構について,ミトコンドリア代謝を中心に,筆者らの研究成果を交えて概説する.

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