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第1土曜特集 基盤病態としての慢性炎症
慢性炎症と造血システム
-――骨髄球系細胞の視点から
Chronic inflammation and hematopoietic system
――Myeloid cells as main players
片山 義雄
1
Yoshio KATAYAMA
1
1神戸大学医学部附属病院血液内科
キーワード:
マクロファージ
,
好中球
,
造血幹細胞
,
交感神経
Keyword:
マクロファージ
,
好中球
,
造血幹細胞
,
交感神経
pp.81-85
発行日 2022年7月2日
Published Date 2022/7/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu2820181
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身体中のどの部位に慢性炎症があっても,血液検査で白血球数が定常状態から変動(たとえば,貧血と白血球増加)することは臨床現場でよく経験される.一見単純なこの現象が,実は骨髄での非常に複雑なシグナルリレーを経て成り立っていることが最近の研究の蓄積でわかってきた.本稿は,慢性炎症と骨髄の相互反応を骨髄球系細胞を中心とした視点で紐解き,特に炎症性貧血,造血幹細胞からの骨髄球系偏向分化,交感神経による末梢血への血球動員の3つのポイントから,体のあらゆる部位の慢性炎症が骨髄とは無関係に論じるのは難しい,という印象を読者に持っていただくことを目的としている.
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