特集 理学療法と臓器連関
循環器理学療法と臓器連関
神谷 健太郎
1
Kentaro Kamiya
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
キーワード:
循環器
,
多臓器連関
,
重複障害
Keyword:
循環器
,
多臓器連関
,
重複障害
pp.673-678
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200941
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
多臓器連関は各臓器の障害が両方向性に影響を及ぼし合い,各々の臓器障害が進展していくことを指す.心臓は全身の組織へ酸素や栄養を運搬するポンプの役割を担っており,心臓に障害が出れば多臓器に障害が波及することは自明のことである.
しかし近年,循環器領域において多臓器連関がクローズアップされる背景には,多臓器の障害が心臓に悪影響を及ぼし,それがむしろ予後を規定する重大な因子であることが明らかになってきたためである.2016年に改訂されたヨーロッパ心不全学会1)の心不全診療ガイドラインにおいては,comorbidityのセクションに多くの頁が割かれ,心不全の予後改善には多臓器への介入を考慮せざるを得なくなっている.本稿では,循環器疾患における多臓器連関について最近の知見を交えて述べてみたい.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.