今月の主題 脳磁図で何がわかるか?
各論
小児てんかんの磁場源解析
藤原 久子
1
,
大坪 宏
2
Hisako FUJIWARA
1
,
Hiroshi OTSUBO
2
1シンシナティ小児病院神経科
2トロント小児病院神経科臨床神経生理部門
キーワード:
小児てんかん
,
側頭葉外てんかん
,
神経移動障害
,
発達・学習障害
Keyword:
小児てんかん
,
側頭葉外てんかん
,
神経移動障害
,
発達・学習障害
pp.1057-1064
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102065
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小児神経科領域のなかで小児てんかんの占める割合は大きい.脳磁図(MEG)は,てんかん棘波の電流源の双極子推定を行うことで,小児てんかんの診断・治療において重要な役割を占めるようになってきている.小児に特異的なてんかんとてんかん症候群では,てんかん棘波の局在部位と性質をMEGで評価できる.小児難治性てんかんの多くが側頭葉外てんかんであり,神経移動障害の病理所見を示すが,このような症例においても,MEGはてんかん焦点を正確に同定でき,難治性てんかんに対する外科的治療におおいに役立っている.小児の発達・学習障害などにもMEGによる脳機能障害の解明を行う研究がなされている.本稿では,小児に特異的な良性てんかんの診断,難治性てんかんの外科的治療の術前検査,発達・学習障害へのMEGの応用について述べる.
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