Japanese
English
講座 脳波とリハビリテーション(1)
臨床脳波検査の基礎
Basis of Clinical Electroencephalography.
江部 充
1
Mitsuru Ebe
1
1日通東京病院
1Nittu Tokyo Hospital.
キーワード:
脳波検査
Keyword:
脳波検査
pp.833-843
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105050
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はじめに
人は正常な状態で生きている限り,覚醒状態であれ睡眠状態であれ大脳表面では数十μVの電位変動がある.この電位変動を髄液,髄膜,頭骨,頭皮を介して,頭皮に接着した電極で導出し,脳波計で増幅し記録した図を脳波(Electroencephalogram,EEG)とよんでいる.人で最初に脳波を記録し,研究発表した人はHans Berger(1873~1941)である(図1).彼はドイツのイエナ大学の精神科教授であり,真空管増幅器すらない1924,5年に非常に感度のよいコイル型電流計を使用して1素子で脳波を記録し(図2),1929年に第1論文を発表した.彼の業績がノーベル賞受賞者であったケンブリッジ大の生理学者Adrian(1934)によって認められ,今日の発展に至ったことは脳波研究の歴史上のエピソードとなっている.
日本では1937年頃から研究が開始されたが,第2次世界大戦後着実に研究が発展し,特にエレクトロニクスの開発がそれに拍車をかけ急速な発展をみた.
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