FORUM 司法精神医学への招待――精神医学と法律の接点・Vol.18(最終回)
認定鑑定医制度と人材育成
八木 深
1
Fukashi YAGI
1
1独立行政法人国立病院機構 花巻病院
pp.173-178
発行日 2025年10月11日
Published Date 2025/10/11
DOI https://doi.org/10.32118/ayu295020173
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国民の信頼に応えるために
日本司法精神医学会(以下「学会」という)は2005年に設立され,認定精神鑑定医制度(以下「制度」という)は,国民の信頼に応え得る精神鑑定が実施できる体制を確立することを目的1)として2014年に始まった.最高裁判所は精神鑑定を採用しえない合理的事情として鑑定人の公正さや能力に疑いが生じたり,鑑定の前提条件に問題があったりすることをあげており2),問診や情報収集が不十分な場合には,高い信用性を備えた精神鑑定とはみなされないとした3).根拠が不明確で結論の妥当性も判断できないようなレベルの鑑定を繰り返す鑑定人も存在するため,そのような問題点を指摘し,適切なフィードバックを行うためにも学会制度は有用であると考えられる.

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