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第5土曜特集 血管・リンパ管研究の最前線と治療への展開
血管の炎症と老化
血管の老化と慢性炎症
Vascular ageing and chronic inflammation
真鍋 一郎
1
Ichiro MANABE
1
1千葉大学大学院医学研究院疾患システム医学
キーワード:
加齢
,
血管変化
,
慢性炎症
Keyword:
加齢
,
血管変化
,
慢性炎症
pp.1062-1065
発行日 2024年6月29日
Published Date 2024/6/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu289131062
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血管は加齢とともに形態学的・機能的に変化する.血管の変化は血液灌流の不足による臓器機能の低下をもたらす可能性があるだけでなく,内皮細胞の機能低下は炎症を起こしやすい状態をもたらし,加齢に伴う慢性炎症性疾患の増加(炎症老化)にも寄与する可能性がある.炎症において血管は免疫細胞や血中液性因子とのインターフェースとして働くだけでなく,炎症に引き続く収束と修復も進める働きを持つことから,血管の機能障害は炎症の遷延化や修復障害をもたらすことが考えられる.一方,炎症は加齢に伴う血管変化の主要なドライバーでもある.このように加齢に伴う血管の変化と慢性炎症は相互に分かち難く結びついている.本稿では,加齢に伴う血管の変化を誘導する機序を中心に概説する.
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