Japanese
English
TOPICS 再生医学
発生メカニズムに基づく造血幹細胞の誘導技術の確立
Establishment of a hematopoietic stem cell induction system mimicking the developmental process
古賀 沙緒里
1
Saori MORINO-KOGA
1
1熊本大学発生医学研究所組織幹細胞分野
pp.1253-1254
発行日 2025年9月27日
Published Date 2025/9/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294131253
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造血幹細胞の発生機構
造血幹細胞は骨髄に存在しているが,その発生場所は骨髄ではない.胎児期において,血管の最内層に位置する内皮細胞が造血幹細胞の起源として知られている.内皮細胞の大部分は血管を形成するが,一部は造血性内皮細胞へと分化し,動脈内腔に血球クラスターを形成する.この血球クラスターは,マウスにおいて胎生9日目から11日目にかけて観察される.血球クラスターには,血液細胞へと分化する造血前駆細胞が多数含まれているが,その一部は造血幹細胞の前段階にあたるプレ造血幹細胞である.プレ造血幹細胞は肝臓へ移行し,胎生12日目には造血幹細胞へと分化する1).その後,出生前に骨髄へ移行し,生涯にわたって血液細胞を産生し続ける.
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