連載 イチから学び直す医療統計・第13講
診断精度指標の評価:感度,特異度,ROC曲線
尾崎 達郎
1
,
長島 健悟
1
,
佐藤 泰憲
2
Tatsuro OZAKI
1
,
Kengo NAGASHIMA
1
,
Yasunori SATO
2
1慶應義塾大学病院臨床研究推進センター生物統計部門
2慶應義塾大学医学部生物統計学
キーワード:
感度
,
特異度
,
ROC曲線
,
AUC
,
DeLong検定
Keyword:
感度
,
特異度
,
ROC曲線
,
AUC
,
DeLong検定
pp.1179-1186
発行日 2025年9月20日
Published Date 2025/9/20
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294121179
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
患者にとって最適な医療を提供するためには,ある疾患がどのように発症・進展するかを理解し,その人が病気かどうかを正確に判定する診断検査が重要である.診断精度を評価するための基本的な指標として,感度,特異度が広く用いられている.また,検査値が連続値で得られる場合には,検査の全体的な性能を視覚的に把握するためにROC曲線やAUCも重要な評価指標として使われている.本稿では,新しく開発された診断法や検査法が,実際にどの程度正確に疾患の有無を判定できるのか,つまり診断精度をどのように評価するかを解説する.また,複数の診断検査を組み合わせた場合の評価法や,AUCを統計的に比較するDeLong検定の手法も紹介する.さらに,発展的な話題として,AUCの共変量調整や複数の検査値を統合して診断性能を最適化する手法についても概説する.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.