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第5土曜特集 止血・血栓・凝固の最新知見――研究と臨床を繋ぐ
血栓止血関連検査
血栓症の病理診断
Pathological diagnosis of thrombosis
魏 峻洸
1
,
山下 篤
1
Toshihiro GI
1
,
Atsushi YAMASHITA
1
1宮崎大学医学部病理学講座構造機能病態学分野
キーワード:
動脈硬化症
,
吸引血栓
,
静脈血栓症
,
がん関連血栓症
,
羊水塞栓症(AFE)
Keyword:
動脈硬化症
,
吸引血栓
,
静脈血栓症
,
がん関連血栓症
,
羊水塞栓症(AFE)
pp.677-682
発行日 2025年8月30日
Published Date 2025/8/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294090677
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血栓症は動脈性と静脈性,微小血栓症に大別され,血栓の部位や構成によって病態や治療法が異なる.病理診断では,血栓そのものを評価することで,血栓症の発症機序や病態,時相を考察することができる.冠動脈や脳動脈の吸引血栓では,プラーク破綻の種類や血栓の時相を組成から推定可能であり,疾患メカニズムの理解や予後予測に有用となる可能性がある.深部静脈血栓症(DVT)では,静脈壁との接着や器質化の程度を評価することで,慢性反復性の病態が明らかになってきている.肺血栓塞栓症(PTE),がん関連血栓症,羊水塞栓症(AFE)などの病理解剖は,全身的・組織的視点から血栓の分布や組成を評価することができ,個々の患者の病態解明が期待される.

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