Japanese
English
第1土曜特集 頭痛診療の新潮流――神経科学の進歩がもたらす治療戦略
二次性頭痛
危険な二次性頭痛の誤診を避け適切な治療へつなげるために
-――レッドフラッグとグリーンフラッグを用いた頭痛患者の初期評価
To avoid misdiagnosis of dangerous secondary headaches and to lead to appropriate treatment
――Initial evaluation of headache patients using red flags and green flags
貞本 泰孝
1
Yasutaka SADAMOTO
1
1鷹の子病院頭痛外来(脳神経外科)
キーワード:
二次性頭痛
,
レッドフラッグ
,
グリーンフラッグ
Keyword:
二次性頭痛
,
レッドフラッグ
,
グリーンフラッグ
pp.412-417
発行日 2025年8月2日
Published Date 2025/8/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294050412
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
頭痛は最も多い症状のひとつであり,また救急外来(ED)を受診する頻回な主訴のひとつである.大部分は片頭痛をはじめとする一次性頭痛で二次性頭痛は少数であるが,くも膜下出血(SAH)のような命に関わる危険な疾患が含まれる.二次性頭痛は時に非典型的な症状を呈し,一次性頭痛と誤診され,医療訴訟の要因となる.一次性頭痛,二次性頭痛ともに有効なバイオマーカーは乏しく,頭痛患者の初期評価にあたり詳細な問診と身体所見は重要である.危険な二次性頭痛を鑑別し,並行して頭痛自体への適切な治療を行うため,近年,SNNOOP10などのレッドフラッグと,一次性頭痛のバイオマーカーの代替としてグリーンフラッグが開発された.あわせて「国際頭痛分類第3版」(ICHD-3)と「頭痛の診療ガイドライン2021」は診断と治療に有用である.診療録に記載されていない所見は検査していないものとみなされるため,問診ではチェックリストを併用することで,記載漏れを防ぐことが勧められる.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.