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第1土曜特集 頭痛診療の新潮流――神経科学の進歩がもたらす治療戦略
緊張型頭痛,三叉神経・自律神経性頭痛,その他の一次性頭痛疾患
反復性群発頭痛,慢性群発頭痛の病態・診断・治療
Pathophysiology, diagnosis, and treatment of episodic cluster headache and chronic cluster headache
北村 英二
1
Eiji KITAMURA
1
1北里大学医学部脳神経内科学
キーワード:
群発頭痛
,
在宅酸素療法
,
トリプタン
,
ベラパミル
,
ステロイド
Keyword:
群発頭痛
,
在宅酸素療法
,
トリプタン
,
ベラパミル
,
ステロイド
pp.390-396
発行日 2025年8月2日
Published Date 2025/8/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294050390
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群発頭痛の有病率は10万人あたり56~401人程度であり,片頭痛,緊張型頭痛に比べて少ないがまれではない.群発頭痛の痛みは激烈で,日常生活に著しい影響を与える.片頭痛と同様に働き盛りの年代に多いが,片頭痛と異なり男性に多い.頭痛は定期的(群発期)かつ夜間,睡眠中に出現しやすい.これは概日リズムとの関係を示唆するものであり,群発頭痛の発生源(generator)が視床下部にあると考えられている一因でもある.急性期治療として,スマトリプタン皮下注や高濃度酸素療法を用いる.群発頭痛の病態は不明であるが,群発期に頸静脈中のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)濃度が上昇し,スマトリプタンや酸素投与によりCGRPレベルが低下することが知られている.予防療法としては,ベラパミルの適応外使用が認められている.ベラパミルにプレドニゾロン(PSL)を併用することで,ベラパミル単剤よりも有意な予防効果を示す.現在,わが国における群発頭痛に対するガルカネズマブ,デバイス治療の承認が待たれるところである.

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