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第1土曜特集 頭痛診療の新潮流――神経科学の進歩がもたらす治療戦略
片頭痛の病態・診断・治療
片頭痛の新規治療薬
-――CGRP関連抗体薬,CGRP受容体拮抗薬(gepant),PACAP関連薬剤
New therapeutics in migraine
――CGRP monoclonal antibodies, gepants and PACAP monoclonal antibodies
滝沢 翼
1
,
井原 慶子
1
Tsubasa TAKIZAWA
1
,
Keiko IHARA
1
1慶應義塾大学医学部神経内科
キーワード:
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
,
下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)
,
gepant
Keyword:
カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
,
下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)
,
gepant
pp.373-380
発行日 2025年8月2日
Published Date 2025/8/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu294050373
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2021年のカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体薬の上市をはじめ,CGRPや下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)を標的とした治療薬の開発が進んでいる.CGRP関連抗体薬については,2025年3月現在,わが国において,ガルカネズマブ,フレマネズマブ,エレヌマブの3種類の皮下注射が使用可能であり,複数のリアルワールドエビデンス(RWE)にて有効性と安全性が報告されている.点滴静注のeptinezumabは海外で使用されており,即効性や他のCGRP関連抗体薬からの切り替え(スイッチ)例での効果も報告されている.gepantは急性期治療,予防療法の双方に使用可能である.投与方法として,通常の急性期のタイミング以外に予兆時の使用についても臨床試験が実施されている.また,状況的予防(situational prevention)についても可能と考えられている.PACAPについては,抗PACAP抗体であるLu AG09222の第Ⅱ相試験が進行中である.これまでの治療薬と標的が異なるため,CGRP関連薬剤のノンレスポンダーに対しても福音となることが期待されている.

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