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第9章 神経系に作用する薬剤
片頭痛治療薬
渡邉 真哉
1
,
柴田 靖
2
1筑波大学水戸地域医療教育センターJA茨城県厚生連総合病院水戸協同病院 脳神経外科
2筑波大学水戸地域医療教育センターJA茨城県厚生連総合病院水戸協同病院 脳神経外科/頭痛外来
pp.1046-1050
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_1046
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・急性期治療として,軽症例においてはアセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が推奨されるが,薬物乱用頭痛に注意する.
・中等症以上で心血管系の疾患や脳卒中の既往,コントロール不良の高血圧のない患者において5-HT1B/1D受容体作動薬(トリプタン系薬)の処方を検討する.2022年に承認された新薬である5-HT1F受容体作動薬は上記基礎疾患のある患者でも投与できる.
・1ヵ月に平均4日以上の片頭痛,または生活支障度が高い患者において,まず従来の予防内服薬の導入を検討する.
・従来の片頭痛予防内服薬でも改善しない場合に,頭痛診療に精通している医師のもとでCGRP関連抗体薬(抗CGRP抗体薬や抗CGRP受容体抗体薬)の開始を検討する.
・制吐薬は悪心・嘔吐,消化管吸収障害に効果があり,鎮痛薬と併用投与すると効果的である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023