Japanese
English
第1土曜特集 肥満症――代謝異常から全身性疾患へのパラダイムシフト
肥満関連疾患の治療戦略
肥満関連腎臓病(ORG)の病態生理とその治療
Pathophysiology and treatment of obesity-related glomerulopathy
田原 稔久
1
,
野島 一郎
1
,
和田 淳
1
Toshihisa TAHARA
1
,
Ichiro NOJIMA
1
,
Jun WADA
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科学
キーワード:
肥満関連腎臓病(ORG)
,
濾過亢進
,
レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬
,
SGLT2阻害薬
,
GLP-1受容体作動薬
Keyword:
肥満関連腎臓病(ORG)
,
濾過亢進
,
レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬
,
SGLT2阻害薬
,
GLP-1受容体作動薬
pp.971-974
発行日 2025年6月7日
Published Date 2025/6/7
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293100971
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肥満は慢性腎臓病(CKD)の発症と進行に大きく関与する独立した危険因子である.肥満に伴って発症するCKDを肥満関連腎臓病(ORG)とよび,腎血行動態の変化,脂肪毒性,ホルモン異常などの複数の機序を通して,肥満,浮腫を認めない蛋白尿,正常血清アルブミン値を三徴とする腎障害を生じる.糸球体濾過亢進を有するため,レニン-アンジオテンシン系阻害薬およびSGLT2阻害薬は有効な治療法である.また,GLP-1受容体作動薬であるセマグルチドは体重減少および腎保護効果を有しており,ORGの中心的な薬剤となる.ORGは早期診断が困難であり,不可逆的な腎障害を生じる.今後はさらなる診断技術と治療効果の向上による転帰の改善が望まれる.

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