特集 2020年代の内科診療―26テーマの近未来予想
内分泌・代謝内科
[糖尿病]
糖尿病の枠を超えて活躍する治療薬
辻本 哲郎
1
1虎の門病院分院糖尿病内分泌科
キーワード:
SGLT2阻害薬
,
GLP-1受容体作動薬
,
心不全
,
慢性腎臓病(CKD)
,
肥満
Keyword:
SGLT2阻害薬
,
GLP-1受容体作動薬
,
心不全
,
慢性腎臓病(CKD)
,
肥満
pp.1185-1189
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1185
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Summary
▪SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は2型糖尿病患者の心血管イベントリスクを低下させることが実証されている.しかし,最近の研究により,糖尿病の有無にかかわらず,SGLT2阻害薬は慢性心不全患者の心血管死や心不全増悪リスクを低下させること,慢性腎臓病(CKD)患者の腎機能低下や腎臓・心血管に起因する死亡リスクを低下させることが報告されている.また,GLP-1受容体作動薬に関しても,糖尿病のない肥満患者に対しても減量効果が期待できることが報告されている.
▪SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は重要な糖尿病治療薬ではあるものの,その有効性は糖尿病患者だけにとどまらず,多くの疾患や状況で活躍することが期待されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2021