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第5土曜特集 マルチオミクスが解き明かす疾患の本質――統合的アプローチによる新たな知見
総論:マルチオミクス解析の基盤と技術
空間オミクス解析の進展
Advances in spatial omics analysis
米山 幹太
1
,
水野 裕介
1
,
鈴木 穣
2
Kanta YONEYAMA
1
,
Yusuke MIZUNO
1
,
Yutaka SUZUKI
2
1東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻
2同新領域創成科学研究科附属生命データサイエンスセンター
キーワード:
空間トランスクリプトーム解析
,
空間プロテオミクス解析
,
空間オミクス解析
Keyword:
空間トランスクリプトーム解析
,
空間プロテオミクス解析
,
空間オミクス解析
pp.769-775
発行日 2025年5月31日
Published Date 2025/5/31
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293090769
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空間オミクス解析は,組織内のオミクス情報を位置情報とともに取得する革新的技術である.空間トランスクリプトーム解析は,①シークエンスベース,②イメージングベース,③局所測定法の3つに大別される.シークエンスベースでは,10x GenomicsのVisiumが先駆けとなり,2024年に発売されたVisium HDでは一細胞レベルの解像度が実現された.イメージングベースではMERSCOPE®,CosMxTM,Xeniumなどが登場し,サブセルラーレベルの解像度と数千遺伝子の検出が可能となった.空間プロテオミクスでは,PhenoCyclerTMやCellScapeTMなどの多重免疫染色技術が発達し,トランスクリプトーム情報との統合解析も可能となってきている.さらに,空間エピジェネティクス解析も確立されつつある.2024年は技術革新が特に著しく,全トランスクリプトームの高解像度解析に近づきつつあるが,依然として課題も残されている.今後はマルチオミクス空間解析の発展に伴い,基礎研究から臨床応用まで,幅広い革新的な成果が期待される.

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