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連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.19
網膜色素変性症に対するiPS細胞由来網膜オルガノイドシート移植治療
-――現状と最近の研究について
Cell-based regenerative therapy for retinitis pigmentosa:Current status and recent research
岩間 康哲
1
,
万代 道子
1
Yasuaki IWAMA
1
,
Michiko MANDAI
1
1神戸市立神戸アイセンター病院研究センター
キーワード:
網膜色素変性症(RP)
,
網膜シート移植
,
ラベルフリー細胞濃縮
Keyword:
網膜色素変性症(RP)
,
網膜シート移植
,
ラベルフリー細胞濃縮
pp.624-629
発行日 2025年5月17日
Published Date 2025/5/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293070624
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SUMMARY
網膜色素変性症は遺伝性・進行性の網膜変性疾患であり本邦でも成人中途失明原因の第2位と問題となっているが,現状有効な治療方法は存在しない.筆者らのグループは再生医療における細胞治療(細胞補充療法)の観点でこれまで研究を行っており,動物実験において安全性と有効性を評価してきた.その結果に基づき2020年に,神戸アイセンター病院で末期網膜色素変性症患者を対象にヒトiPS細胞由来網膜オルガノイドシート移植のfirst-in-human試験を行いその安全性と移植片の中長期生着を確認できた.しかし移植後のよりよい視機能達成に向けて,グラフトとホスト網膜とのシナプス形成効率がまだ十分ではないことや移植範囲が小さいことなど,いくつかの課題があげられる.本稿では,それらの課題解決のために筆者らのグループが最近行った研究を紹介する.

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