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特集 ストレス応答の分子メカニズム――最新知見と臨床応用への展望
熱ストレス応答によるタンパク質の恒常性維持と神経変性疾患
Protein homeostasis by heat shock response and neurodegenerative diseases
武内 敏秀
1
,
永井 義隆
1,2
Toshihide TAKEUCHI
1
,
Yoshitaka NAGAI
1,2
1近畿大学ライフサイエンス研究所
2近畿大学医学部脳神経内科
キーワード:
神経変性疾患
,
プロテオスターシス
,
熱ショック応答
,
分子シャペロン
Keyword:
神経変性疾患
,
プロテオスターシス
,
熱ショック応答
,
分子シャペロン
pp.611-616
発行日 2025年5月17日
Published Date 2025/5/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293070611
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アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD),筋萎縮性側索硬化症(ALS),ポリグルタミン病(PolyQ病)などの神経変性疾患は,タンパク質の凝集や異常蓄積が原因となって発症する.通常このようなタンパク質の異常は,細胞が備える “タンパク質の恒常性維持機構” という仕組みにより適切に処理されているが,神経変性疾患ではこの仕組みの働きが低下するなどして,タンパク質凝集をうまく処理できない状態に陥っていると考えられる.本稿では,タンパク質の恒常性維持機構のうち,特に分子シャペロンとその誘導機構である熱ショック応答に注目し,それらの機能異常が神経変性疾患に関与すること,そして熱ショック応答の活性化や分子シャペロンの発現誘導が神経変性疾患に治療効果をもたらす可能性について,最新の知見を含めて紹介する.

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