FORUM 司法精神医学への招待――精神医学と法律の接点・Vol.4
裁判員制度における精神科医の役割
村松 太郎
1,2
Taro MURAMATSU
1,2
1慶應義塾大学医学部精神・神経科
2JDC六番町メンタルクリニック
pp.560-567
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293060560
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
期待
くじ引きで選出された国民が裁判員として裁判官とともに被告人を裁く裁判員制度が開始された2009年当時,革新的な制度導入時の常として,賛否両論が盛んに戦われていたが,筆者は大賛成で,この制度におおいに期待していた.以後,現在までの16年間で筆者は17件の裁判員裁判対象事件の精神鑑定を行い,そのすべてで出廷し証言する機会があり,さらにそれに加えて,意見書の提出などの形で多数の裁判員裁判対象事件にかかわってきた.本稿では16年を振り返り,精神科医が裁判員制度で担うべき役割について,私見をごく控えめに述べてみたい.

Copyright © 2025 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.