Japanese
English
連載 細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望――臨床への展開・Vol.18
角膜再生医療の最先端
Cutting edge of corneal regenerative medicine
大家 義則
1
,
西田 幸二
1
Yoshinori OIE
1
,
Kohji NISHIDA
1
1大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科(眼科)
キーワード:
角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD)
,
培養上皮細胞シート
,
iPS細胞
Keyword:
角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD)
,
培養上皮細胞シート
,
iPS細胞
pp.541-544
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293060541
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SUMMARY
角膜は,上皮,ボーマン層,実質,デスメ膜,内皮の5層で構成されている.角膜上皮幹細胞は角膜輪部の基底部に存在し,上皮の恒常性維持に重要である.角膜上皮幹細胞が消失すると角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD)という状態になり,幹細胞移植が必要となる.従来の他家角膜輪部移植は術後免疫拒絶反応や感染性角膜炎のリスクがあり,ドナー不足も深刻である.これに対し,再生医療技術を用いた自家培養角膜上皮細胞シートや口腔粘膜上皮細胞シートの移植が開発され,一定の成果を上げているが,これらの方法にも問題点がある.そこで筆者らは,iPS細胞から角膜上皮幹細胞を誘導する技術を開発しており,iPS細胞由来角膜上皮細胞シート(iCEPS)を用いた臨床研究を4例の患者を対象に行った.今後,治験を行うことで,本治療法の安全性および有効性をさらに検討し,iCEPS移植の治療としての確立を目指す予定である.

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