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特集 機能性神経障害(FND;ヒステリー)診療の近年の革命的変化――COVID-19の影響も踏まえて
心因性非てんかん発作
-――脳神経内科医・精神科医のための実践的アプローチ
Psychogenic nonepileptic seizure
――A practical approach for neurologists and psychiatrists
斉藤 聡志
1,2
,
谷口 豪
1
Satoshi SAITO
1,2
,
Go TANIGUCHI
1
1国立精神・神経医療研究センターてんかん診療部
2東京女子医科大学脳神経内科
キーワード:
失神
,
BPS-3Ps
,
長時間ビデオ脳波モニタリング
,
機能性神経障害
,
解離症
Keyword:
失神
,
BPS-3Ps
,
長時間ビデオ脳波モニタリング
,
機能性神経障害
,
解離症
pp.511-515
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293060511
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心因性非てんかん発作(PNES)の発症は,心理的な葛藤が深く関与する.発作症候はてんかん発作に類似しているため,集中治療管理を受けてしまうケースもある.発症メカニズムのひとつにBPS-3Psモデルがあり,準備因子(トラウマなど),発症因子(ストレスなど),持続因子(抑うつなど)が複雑に関与している.PNES診断のゴールドスタンダードは長時間ビデオ脳波モニタリングであるが,頭皮上脳波で検出しづらい焦点てんかんも存在する.PNES患者の22%にてんかんを合併し,両者の鑑別に苦慮することもある.治療として最も有効なものは,診断と説明である.本人のマインドセットを変える “中から変わる” こと,介護者や職場の環境を整える “外から変わる” ことが重要である.背景に抑うつ,不眠,虐待,トラウマ,てんかんの併存などを抱えている患者も多く,脳神経内科医,精神科医など多職種での支援が必要である.

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