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第1土曜特集 成人先天性心疾患――各国のガイドラインに学ぶ
成人先天性心疾患特有の諸問題
成人先天性心疾患の主な外科治療と先天性心疾患における心臓移植
Current status surgical treatment and heat transplantation in adult congenital heart disease
笠原 真悟
1
Shingo KASAHARA
1
1岡山大学学術研究院医歯薬学域心臓血管外科
キーワード:
成人先天性心疾患(ACHD)
,
外科手術
,
心臓移植
,
右心不全
,
Life long
Keyword:
成人先天性心疾患(ACHD)
,
外科手術
,
心臓移植
,
右心不全
,
Life long
pp.465-470
発行日 2025年5月3日
Published Date 2025/5/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu293050465
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成人先天性心疾患(ACHD)は心臓のみならず多臓器に不全を認めることが多く,外科治療を考える際には,多職種によるチーム内の検討のもと治療方針が決定される.手術時期の決定は,小児期の手術に比べはるかに難易度が高く,将来を見据えた治療戦略が計画される.経年的な変化をふまえて,将来を見据えた(Life long)治療戦略と手術時期の判断が重要であるが,現在のガイドラインの範疇でも判断しきれない病態が存在する.そのなかでも右室不全の診断は重要で,ACHD領域では注目すべき病態である.さらに,ACHDに関連する長期的な心不全状態やそれに伴う多臓器障害など,後天性心疾患とは異なる複雑な病態を有している症例が多い.ことに単心室症(UVH)の機能的根治術であるフォンタン手術後の心不全においては,予後が極めて厳しいことから,ACHD症例の心臓移植は世界的にも限られたものになっている.しかし,今後増加するACHD症例に対する心臓移植の役割を理解し,適応基準などを再評価していくことが重要である.

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