特集 成人先天性心疾患 正確な患者評価から適切な治療へ
治す 成人先天性心疾患患者に対する補助循環と心臓移植
市川 肇
1
1国立循環器病研究センター 小児心臓外科
キーワード:
心臓移植
,
心臓疾患-先天性
,
心臓補助機器
,
大血管転位症
,
タンパク喪失性腸症
,
中心静脈圧
,
治療成績
,
Fontan手術
,
人工器官移植
,
単心室
Keyword:
Univentricular Heart
,
Central Venous Pressure
,
Heart-Assist Devices
,
Heart Defects, Congenital
,
Protein-Losing Enteropathies
,
Transposition of Great Vessels
,
Heart Transplantation
,
Treatment Outcome
,
Fontan Procedure
,
Prosthesis Implantation
pp.536-542
発行日 2017年5月9日
Published Date 2017/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017220957
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先天性心疾患の治療成績の向上に伴い,成人に達した先天性心疾患患者の人口は増加の一途である。健常者と同等に生活が可能で以降の治療が不要である場合は除き,Fallot四徴症以上の重症度の疾患ではケアフリーの根治と考えることは控えたほうがよく,生涯にわたるフォローアップを行うべきである。姑息手術に終わっている,あるいはまったく修復が行われていない場合,チアノーゼが残っている場合などは平均余命までの生存は通常難しい。また,単心室関連疾患の場合,例えFontan型修復に到達していても壮年期,老年期にまでトラブルなく経過することはまれである。新しい薬剤の開発や,心臓再同期療法ペースメーカなどによって改善したというものの,将来少なくない数の患者が代替医療,すなわち補助循環・心臓移植などの治療を必要とすることが予想される。本稿では成人先天性心疾患患者における補助人工心臓,心臓移植の現状をレビューし,解決すべきさまざまな課題について述べる。
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